Updated: 2010/02/17

連載(8)木のぬくもりを伝える/「ログハウス21」松延浩志さん

By 北海道日刊スポーツ新聞社

連載(8)木のぬくもりを伝える/「ログハウス21」松延浩志さん


 北海道に特別なイメージもあこがれもなかった。ただの「配属先」が人生を変えた。92年に千葉大を卒業後、INAXに入社した松延浩志さん(42)はその4月、札幌に赴任した。愛知県豊橋市出身。縁もゆかりもなかった。「飛行機に初めて乗れるなぁと北海道に来たのですが、不思議ですね…」と振り返る。

 少しずつ魅せられていった。その年の夏休みに同僚と3人で1週間、知床など道東を回った。子供のころ、川で遊ぶのが好きだった。大学までラガーマンだった青年はアウトドアにのめり込んだ。「僕はマンガ『釣りキチ三平』世代だったんで渓流釣りにはまりました」。当時付き合っていた現在の妻、仁さんと2人で北海道を回った。
 入社6年目、転勤という現実が迫ってきた。「僕はダメなサラリーマン、会社から去って良かった人間だと思う。昇進試験の準備でもらった休日も釣りに出かけた。仕事に対しても受け身だった。北海道での生活はもう、替え難いものになっていましたので。東京に行ってライフスタイルが崩れるのが嫌だった」。
 会社を辞める決意をした。99年3月に退社し、現在のログハウス21のビルダー見習いとして入社した。経済的には厳しくなったが妻の後押しが心強かった。ビルダーを5年経験したのち、スペシャリストになりたいと思った。営業、設計にも取り組んだ。「前の私は勤め人だった。仕事をこなしていくだけだった。充実感が違った」。体の疲れが心地よかった。

 08年、同社の社長に就任した。北海道の木を中心にしていきたいが、まだ丸太の強度が足りないものもある。アメリカの松、北海道のカラマツや杉などを組み合わせ「適材適所」の配置をする。現在、年間で一般住宅を4棟建てるのが限界だが、建てた2年後には必ず無償で修理に入る。「家を建てていただいた方と一生のお付き合いができれば」。よりお客の側にいようと思っている。

 壁にはしっくいを使うケースもあるが、それもすべて天然素材だ。冬でも薪ストーブの家は暖かく、木の香りは気持ちを落ち着かせる。「5感を刺激する住宅なんです」。このぬくもりは作り手の思いが込められているからかもしれない。【上野耕太郎】

 ◆松延浩志(まつのぶ・ひろし)1967年(昭42)6月6日、愛知県豊橋市出身。千葉大法経学部卒業後の92年4月、INAX北海道支社に配属。99年4月、業界では草分け的な存在だったログハウス21に転職し、ログビルダー見習いから始める。08年から代表取締役。家族は妻仁さん。

 松延さんの北海道特選
 ▽場所 東大雪のニペソツ山です。夏の7〜8月がきれいです。2時間くらい歩くと、いきなり山が見えてきて感動しました。
 ▽食べ物 秋の積丹マグロがおいしかった。大間産、戸井産は有名ですけど、積丹のマグロにはびっくりしました(仁さん)。
 ▽旅行 新得町にある1日1組限定の「のんびり宿 スロウ inn 楓(ふぅ〜)」が素晴らしい。ダッチオーブンの料理は最高です。

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