Updated: 2010/04/20

連載(17)ばんえい競馬の「ママ」奮闘記/徳田奈穂子さん

By 北海道日刊スポーツ新聞社

連載(17)ばんえい競馬の「ママ」奮闘記/徳田奈穂子さん


 都会から地元を眺めて、あらためて「十勝」の良さを知った。24日のばんえい競馬の開幕を前に、徳田奈穂子さん(32)は多忙な日々を送る。ばんえい競馬を帯広市から運営を受託している「オッズパーク・ばんえい・マネジメント」に入社して3年目。広報からイベント企画、ちらし製作など仕事は多岐にわたる。

 開催前日の23日には競走馬を連れ帯広の町を歩く。開幕PRでは騎手の勝負服を身にまとい、自らが広告塔にもなる。残業も続くが「なぜだか、馬を見ていると癒やされるんですよね」と笑顔が絶えない。

 音更町出身、大学進学で上京した。卒業後は大手レコード会社に就職し、「セールスプロモーター」として新人の売り出しに没頭した。アーティストのキャッチコピーを考え、CDショップを回った。充実した日々だったが、結婚を機に04年に退社。東京の中でも都市部の品川で暮らしていた。子供が生まれ価値観に変化があった。「地元に戻りたい」。ふと、十勝の緑が頭をよぎった。「東京は楽しかった。でも、子供は伸び伸びと遊べる場所で育てたいと思ったんです」。

 08年2月、故郷へ戻った。北海道らしい仕事に就きたかった。ばんえい競馬の募集広告を見た。強くひかれた。競馬のことは知らなかったが、未知の世界に飛び込み、合格通知を手にした。上司からは「(競馬を)知らないから採用した。新しい感覚でやってほしい」と背中を押された。

 徳田さんは、ばんえい競馬の魅力に4点を挙げる。 (1) 馬の大きさとその迫力 (2) 馬から2、3bとそばで見ることができ、そりを引く馬と並走しながら応援できる (3) 騎手やそのコース裏を並走する厩務員の掛け声や、引っ張られるそりの音 (4) 最後の最後で一発逆転が起こる―、そんな臨場感と一体感を知ってほしいと願う。「平成のITの時代ですが、ばんえい競馬は昔の資料と何ひとつ変わらないですよ。泥臭くて、人間くさい」と口調に熱がこもる。

 観光だけではなく、競馬としての認知度を全国へ広めたい。理由がある。06年に共同運営していた北見市、旭川市、岩見沢市がばんえい事業から撤退するなど存廃問題が常に取りざたされてきた。「ばんえい競馬を失いたくない。厩舎の方々に強い馬をつくること、レースに集中してもらえるような環境をつくりたいんです」。長男はこの3月で5歳になった。わが子と地元の歴史的文化を守り育てる奮闘は続いている。【上野耕太郎】

 ◆徳田奈穂子(とくだ・なおこ)1977年(昭52)10月9日、音更町生まれ。幼少時代から電子オルガンを始め、帯広柏葉高時代はバスケットボール部に所属。駿河台大では軽音楽部に入部。大手レコード会社を経て、08年からばんえい競馬を運営するオッズパーク・ばんえい・マネジメントで事業企画、広報を担当している。

 ◆徳田さんの北海道特選
 ▽場所 秘湯と呼ばれるトムラウシ温泉、芽登温泉は好きです。
 ▽食べ物 ばんえいの堆肥(たいひ)で栽培された鎌田商事の自社栽培のマッシュルーム「とかちマッシュ」は、バター焼きなどにしてもおいしいです。

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