Updated: 2010/07/06

連載(28)北海道の「食」のマイスターは未来を信じる/天使大・荒川義人教授

By 北海道日刊スポーツ新聞社

連載(28)北海道の「食」のマイスターは未来を信じる/天使大・荒川義人教授


 北海道の「食」のマイスターは、第1次産業に未来を見いだしていた。天使大の荒川義人教授(57)は北海道の農産物をこう評する。「中国や韓国で『メード・イン・北海道』は売れるんです。韓国のテレビ局が特集する番組を作ったくらいです。東京や大阪で競争するくらいなら、外国で勝負してもいいのではないかと思います」。北海道産はすでに、世界的なブランドだったのだ。

 同大の看護栄養学部栄養学科で教授を務める。一方、北海道フードマイスター認定制度運営委員会の副委員長で、若手農業者との交流、食育に関する講演活動など多忙な日々を過ごす。食品栄養の研究者として、実際に数値データを測定している。道産素材のポテンシャルの高さに驚かされた。「道内の農作物のすべてとは言わないですが、総じてバランスが良く、健康効果も高い。研究者として、このことをどうやって人に伝えていけばいいのかと試行錯誤しています」。地元の食材のデータを検出しているうちに生産者やその加工、流通を知るようになった。

 地産地消ではなく「地産地活」をテーマに掲げた。地のものを消費するだけではなく、活用することを目指す。「めんたいこ」を例にとる。北海道産のタラコを福岡県で加工し、再び北海道の食卓に上るという工程を変えたいと願う。「新鮮なものだけで勝負するのではなく、加工したものなど付加価値をつけないといけない。『オール北海道』で勝負できる商品を増やしていくことがこれからの課題」と話す。

 食糧基地としてだけではなく、輸出の「工場」として、広大な大地の可能性に期待している。道内の農業技術の高さは、アジアでも群を抜いている。農村部での変化も感じている。少しずつではあるが、若い世代が農業、漁業に戻り始めた。独自の共同体を作り、生産方式が多様化してきた。インターネットの普及により、生産者から消費者への流通も簡易になった。「(道産米の)ゆめぴりかも本当においしい。また、中国や韓国の人も、食への関心が高くなっていることも追い風になる。北海道の技術力は世界への武器。明るい兆しが見えてきている」と説明した。

 北大大学院に進学後、同大硬式野球部の監督としても活躍。退任した今でも、この6月に全日本大学野球選手権でベスト8に入った母校の活躍に目を細める。スポーツ指導者としての経験からも、食の大切さを痛感している。「服や車のために食事をおろそかにする人もいます。でも、服で命は保てません。食は心身の健康の基本なんです」。北海道を元気に―。その大きなテーマを食の世界から挑んでいる。【上野耕太郎】

 ◆荒川義人(あらかわ・よしひと)1952年(昭27)9月14日、旭川市生まれ。札幌旭丘高、北大では野球部に所属し、外野手として活躍。北大大学院生となり、同大野球部の監督に就任した。84年に北海道栄養短大(現北海道文教大)の専任講師、97年に同大教授に。翌年から天使女短大(現天使大)の教授に就任。北海道フードマイスター認定制度運営委員会の副委員長、北海道食育コーディネーター会議座長、札幌市食育推進会議会長などを務める。家族は妻と長女。

 荒川教授の北海道特選
 ▽食事 職業柄、北海道産の食材を生かした「こだわりの飲食店」が大好きですが、中でも日韓交流の意味も含めて、知人の韓国料理店「チング」(札幌市中央区南7西6)オーナー梁直義(ヤンチグイ)氏の「こだわり」を応援中。道産食材の持ち味が韓国料理でパワーアップすることを実感しています。

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